カトウ(以下:K)、合渡(以下:G)
-理屈じゃなくて直感
ゴウド(以下G): 事務所入って何か考え方変わった?
カトウ(以下K): 大道を行くような役者さんになりたいって思うようになりました。
そこを歩けないと、道も外れられないし。
これまでは、砂漠をずっと裸足であるいてたようなもんだから。
もちろん尖った部分も大事だけど、そういうど真ん中をやれるようにしないと広がっていかないよっていうのは言われてる。
インディーズのままいければいいけど、やれることをやり続けてきたその延長上に何かがあれば。
一生この生き方を続けるために今があるかな。
G : やば!情熱大陸っぽい(笑)
で、どっから芝居を始めようと思ったの??
K : 大学からですね。
G : 以前から興味があって?
K : 高校までバスケやって、強豪校行ったけど挫折して、バスケの道は仕方なく諦めた。
それで、よくよく考えたら映画好きだったな〜って。
最初は監督やろうとか、カメラマンになろうとか思っていたけど、機械弱いし無理かな~、絵コンテなんて想像つかないしなあとかネガティブな想像ばっかり出て来て。
でも、役者だったら一応喋れるし、映画も見てる分どんな作業か想像もできたし。
何より人間て生き物に興味を持つのは一生続けられそうな気がした。
まあ、結局、最後は理屈じゃなくて直感ですね。
ダメなら次のことを考えればいいしって思ってた。
G : あ、ダメだ。涙出そうになってる。。
これだけ続ける覚悟っていうのは?(グスン)
K : 気持ち悪いっすね。
俺1回就職したんですよ。
もともと、人前に立つのあまり好きじゃないんで、大学の稽古もやだし本番で人前に立つの恥ずかしいし。
それで、一度芝居やめて会社員やったんですけど、やめてみたらみたでバランス崩れかけちゃってる自分がいて、呼吸じゃないけど芝居がなきゃダメで。
何も保証も希望もなかったけど、最終的にはこれで食おうと思ってましたね。
3年ずつの目標を立てて、東京の小劇場に出たりとか、どこそこ劇場に立つぞとか、映画出るぞとか、そういう小さな目標をちょっとずつ、かつ、ギリギリでクリアしていった感じかな。
G : ハンカチお借りしても良いですか><
3年単位で立ちたい舞台を達成してきている。
でもその前の2年間って相当辛いよね。
K : そうすね。
仕事が何もないから自分で書いて演出したり、オーディションとかワークショップとか受けてはダメだったり。舞台立っても不安は拭えず。
変わらないですね、ずっとそれは。進んでる?成長してる?辞めたら楽になんじゃね?ずっと自分から湧き出てくる問いに苦しめられます。目標達成は小さな達成感というか、進んでる?とかへのアンサーだけ。それも一瞬で過ぎ去る。一瞬。
でもそういう時間が繋がりや縁も作ってくれていて、後々に、仕事に繋がったりと。
G : 細かい目標持たないと、自分の進む道が見えなくなってきちゃうよね。
K : ある程度ふわっとしてだけど。
G : もし、その目標がクリアしてなかったらやめてたの?
K :どうだろ?(笑)
やめられないんじゃないかな。やめられるならきっとやめてた。やめられないんですよ。
才能あるなしじゃないけど覚悟は持ってた。
もっともっと映像でメインで出たいっていうのはある。確かに「ケンとカズ」で今までより色々な人に見てもらって。これが更なる広がりを作るカンフル剤になってくれている。
それで、2016年に事務所も決まったし。
3年計画ギリギリのタイミング。紙一重。
-まだ咲かせんでくれ
G : 40歳の時の自分の行きたい場所っていうのはある?
K : より貪欲になってたいですね。映像でも舞台でもやりたくてたまらない役がどんどん来るようにしたいですね。
そうなってれば捨てたもんじゃないな。
今は来た仕事をやるしかない。
仕事は頂いているんで、もちろんかなり幸せな状況なんですけど、俳優として、もう一段上に行かないと兎にも角にも食えないんで。
この2,3年は食うとこまで行く。
今は一個上に爪を引っ掛けてくっていう作業の積み重ね。本当にそれしかない。来た仕事を真摯に。自分を更新し続けて。
G : 好きなことをやり続けるって、今の世の中本当大変だよね!
それが直接金儲けに繋がるような好きなことだったらいいけど。
K :まあ適当なんすけど!(笑)
バランスだと思うんですよね。
G : 好きなことをどれだけやってるかって言う割合と、それと同じくらい辛い事ってあるよね。
カトウ君はどっぷり好きなことやってるから、どっぷり辛いこともある。
K : 腹のくくり方だと思いますよね。
ウチの演出家は昔、みんなの協力があって、バイトもしないで頑張ってて。
それで今、実際食えてるし。
G : そういう人だからこそ惜しみなくやり続けて欲しいし、応援してる。
K : 事務所入った時に死ぬまで俳優でいられる生き方をしたいって、改めて思うようになった。
ずっと地面かみしめてる足の指が土を噛んでる感じがいいな。
G : しっかり地に足つけてしっかり根を張って、風に流されてあっち行ったりこっち行ったりじゃなくてね。
俺らみたいに不安定に生きてる奴らが地に足つけてる感じが良い。
K : 「ケンとカズ」で評価されて、周りから良かったねって遅咲きの意味も込めて言われるけど、まだ咲かせんでくれって思う。(笑)
これもしかしたら桜じゃないか?っていう期待値があるのが今の俺。もしかしたらこれ蕾かも?って。
40歳中盤で咲き始めてくれたらいいな。
満開は60歳ぐらいで、80歳が散り際って一番綺麗だな。そして美しく儚く枯れていきたい。で、死んで、良い堆肥にでもなれば。(笑)
G : それは趣があるね〜〜!
そんぐらいのペースでいいんじゃない。
80歳ぐらいで銀幕の二番手が一番かっこいいよ。
俺も表現者の端くれとしては最終的には芝居だな!
K : へ??
飛躍しすぎてよくわからない。
G : いやいや、3年後にはハリウッドデビュー。
「バックトゥザフューチャー4」撮るから(笑)
K : 撮る方なんだ。
G : 次は原始時代!
K : それはジュラシックパークだね。
-美容師はアスリート
K : ちょっと前まで「前のめりに死ね」っていうのが人生の大義名分だった。
G : 俺もその昔の座右の銘は「倒れるなら前のめり」。
今は「死ぬこと以外かすり傷」。
後は、「人生は死ぬまでの暇つぶし」。
最近そこら辺が気に入ってる。
役者さんは俺のイメージだと職人に近いから、経験値を積んでくと渋みとか深みとか幅とかが出てくるじゃない。
だから60歳で花咲かして、そっからゆっくり80歳、90歳っていう感じでいいと思うんだけど。
うちらの美容業界は年齢を重ねることがそれほど良しとされない。
K : アスリートみたいな歳の取り方ですもんね。
G : 上手い事いうね!!
俺は今年41歳だしね。
三十後半からこのままどう楽しんでいくか考え始めて、最近は散り際をどういうふうに過ごすかって考えてる。
「美容師はアスリート」っていいね。
K : 真剣に考えた方がいいんじゃないですか?
合渡さんは人を絡めて誰かと誰かを逢わせていくことが好きだから。
僕らの生き方に直接コミットしてる感じがすごいある。
G : ライザップ程ではないけど(笑)
でも、俺はそれを仕事にしてる感じがないね。
K : そういうのが好きなのかもしれない。
G : 俺、そっちの気ないので悪しからず。
にしても、この前カトウ君が出てたサニーデイサービスのミュージックビデオ良かったよね!
K :ぶっ込みますね(笑)
スケジュールが混んじゃってたんだけど、運良くそこだけ空いてて。
1日2日ずれたら厳しかったんですよ。
G : オリジナルは曽我部さんが歩道橋で歌ってて、小西さんのリミックスはドラマっぽい仕上がりだよね。
音も映像も俺はリミックスの方が好き。
K : 2つで1つ感を楽しんでもらえればいいかな!
G : 変に作り込まれてなくて荒い感じがいいよね〜〜。
じゃあ、いつも聞いてる最後の締めで「合渡慎介に物申す」頂いてもいいでしょうか?
K : 合渡慎介にこれ以上面白くなれてこと??
3,000万円引っ張ってきて映画作りましょうよ!!
G : お〜〜〜!
主演俺ね(笑)
K : なんでだよ!
回収できないよ(笑)
G : カトウ君が演技してる隣のテーブルで彼女と喧嘩してる役で。
K : それ主演じゃない!
店に入った時に一瞬触れてもいいけどね。
G : うちらの痴話喧嘩でその作品成立するから!
じゃあ俺3,000万円持ってきたらカトウ君何してくれる?
K : 俺は出る方にします。
監督と撮影隊は俺が用意します。
G : よしっ!!
じゃあ、今日から500円貯金始める。
K : 先なげー!!
終わり
-カトウシンスケ出演情報
映画『サニー32』
『凶悪』の監督、スタッフ、キャストが結集した「2018年もっともヤバい映画」
2018年2月17日(土)全国公開
オフィシャルサイト
http://movie-32.jp/
AMAZON PRIME ORIGINAL
『紺田照の合法レシピ』
2018年3月6日配信スタート!
オフィシャルサイト
https://kondateru.com/

いなせや ハナレ
東京都世田谷区三軒茶屋1-9-13
営業時間
【月〜金】17:00~翌0:30(L.O.24:00)
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