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インタビュー

第4回 イラストレーター マツモトミオ 後編 〜コンプレックスが強み〜 @Luz

投稿日:

ceasevenの代表である合渡慎介が、他業種のお客様と酒を酌み交わしながらダラダラ語る、誰が得するのか分からない見切り発車企画。
第4回目の今回は、イラストレーターのマツモトミオ氏とセッション。
裏三茶の火付け役”スペイン料理と自然派ワイン LUZ"からお届けします。

マツモトミオ

マツモト(以下:M)、合渡(以下:G)

-ホクロって黒子って書くんだぜっ

G:さてさて、実は今日紙とペンを持ってきております!
似顔絵書いてもらいましょう〜〜。

M:えっ!!聞いてない!!

G:言ってないからね。
女子はサプライズ好きでしょ?
今日イチのサプライズです!

M:そんなサプライズいりません!!

G:いーからいーから、さっと書きなさい!
で、いつもはどんなペンで書いてるの?

M:まったく〜〜(笑)
ペンはパイロットの0.3mm。
何色で書く?

 

 

G:いつものピンク!

M:ピンクいいね。(いつものって何?)
似ないけど良い??

G:ハットと眼鏡と髭書いときゃなんとかなる!!

M:一応プロなんだけどね。(笑)

G:一応じゃないでしょ。

M:あ、ホクロの位置間違えた・・・。
これ、宿題にして欲しかった!

G:宿題ダメです。
ホクロの位置間違えた??ホクロって漢字で書くと『黒子』って書いて、それは中国から漢字が伝来された当時、日本は・・・・・・(割愛)

M:はい!できたよ〜〜!

 

G:おー!!!凄い!!
似てる〜〜〜!
でも、今日の襟、ボタンダウンじゃないけど??

M:(細かいなあ・・・ムシムシ
私は、イラストレーターって言ったもん勝ちな商売なところもあると思っていて。
学歴がなくても誰でも絵が上手くて、やってますと言ってしまえばそれまでで。
そんな中自分はいつまで仕事として続けていけるんだろうって不安に思ってた。
行けるとこまでやるしそのための努力は惜しまない。
40歳になった時に色んなことを考えたんだけど、仕事だけは絶対続けようと改めて思った。
子供じゃないけど、自分が生み出したモノで他の人が喜んでくれるのがすごく嬉しいからね、頑張りたいな、と。
万が一、仕事にならなくなっても描くことは大事に続けようと思ったんだ。
やっぱ40歳はすごい大きなターニングポイントだと思う。

 

-無理はしないけど努力はする

G:俺は知らないうちに40歳になっちゃったなぁ〜〜。
傍から「見たら楽しそうにやってるね」って見てもらえてるから、「まーいっか〜」って感じだけど。

M:それってすごいことだよね。
あの人ツラそうってなったら不幸でしかないし。

G:俺はそれが嬉しくて。

M:それは努力するの?

G:ん〜〜、そうなりたいとは思ってる。
そういう風に見られたいって欲もあるかな。

M:周りに素敵な大人がいるとワクワクするよね。
こういう大人がいるんだったら歳を重ねるのは楽しみだなって思う。

G:無理はしないけど努力はしてるって感じ。

M:父に「気良くな」と常に言われてて。
何してようが、儲けようが儲けまいが、自分が気を良くして過ごしていれるならそれが一番だって。
最近は気良くいれてるかを意識してる。

 

 

G:イラストレーターって腐るほどいるじゃん。
どうすれば注目されると思う??

M:逆に教えて!(笑)

G:では、先輩として、今の若手クリエーター何かアドバイスあります??

M:まずは、人とのつながり、横のつながりを大切に
それから、シンプルだけど自分のプラットフォームとなるホームページはこまめにアップデートする。
作業は溜め込まず消化していく。
何か話が来た時にはすぐに対応ができるようにしておく。
スケジュールをコントロールする。
納期だけは絶対守る。
とか?

G:先輩っぽいアドバイスありがとうございます。
今の絵のテイストはどうやって確立したの?

M:日本の短大時代に切り絵のスタイルを始めたら、渡英中に日本でそのスタイルを真似されてしまってね・・・(笑)
それで、新たに自分のスタイルを探すためにイギリスの大学時代はいろんな手法を試して。
好きなようにデッサンを描いていいLIFE Drawing nudeの授業があって、そこで線の面白さに気づいたの
実際にある形のままじゃなくて、デフォルメしていてもそのモデルさんだってわかる。
がとっても面白くて、そこで発見した自分の線を突き詰めていったら今のスタイルになった。
周りの人にも好評で、じゃあこれでもっと絵をいてみよう
私は目の前にあるものを写実的に描けないのがずっとコンプレックスでね。

イギリの大学でのデッサン中、「あなたは多分、立体的に物が見れない人間。でも線を生かせる人間だから何でも線だけで描いてごらん。線でくと立体感が出るから。陰影で立体感を出さなくていい」ってある先生に言われたの。
目から鱗
その時、コンプレックスが強みになった。
それを言ってくれた先生に感謝。

 

 

G:自分のスタイルを見つけるって一番難しいよね。

M:難しくて悩んで、学生時代2年くらいかけていろんなことをやった。
その時に自分のスタイルを見つけたことはとてもありがたくて、それがなければイラストレーターになれてなかったと思う。
仕事としてやっていきたかったから必死だった。
自分の絵の中で大事にしているポイントは「線の気持ち良さ」。
習字は感覚が似てるかも。
気持ちいいが一番。
うまく言えないけど、とても感覚的だしとても主観的。

G:日本的でもあるよね。
生みの苦しみってやっぱある?

M:ドロドロに悩んで出てくる時もあるし、ポッと出てきたりもする。
でも、悩んで生みだしたものは悩んだものが反映されてる場合もあったり。
クライアントワークをしてて面白いことは、「自分としては、???」と思ってもクライアントさんにとってはビンゴだったり。
自分としては不完全燃焼な場合があったとしても、その納得具合は個人的なことであって、最終的に私の場合はクライアントベースの仕事をしてるから、お客さんが喜んでくれればそれが一番。

 

 

G:では最後にいつもの「合渡に物申す」頂いてもよろしいでしょうか??

M:え、ラジオやったら良いんじゃない?(笑)
もしくは、道楽突き詰めてほしい!
道楽でどれだけ本当にやっていけるか。
自分の好きなことを仕事にして生きていってるって、道楽の極みじゃない?
ヘアサロン以外のマツエクとネイルのサロンとかは、興味とか好奇心からやってることだろうし、こういうのあると便利じゃない?って感覚でやってる。
やっちゃった、始めちゃったって、笑って出来る人なのかなと思う。
苦しいこともあるだろうけど、合渡くんの印象は自分の好きなことをやっていつも楽しそうなイメージ。
思いついたことを現実にできる人は一握りだし、さらっとその行動に移せる人だと思うから、
そのテンションでこれからも色々とやってて欲しいな

おわり

-マツモトミオ

マツモトミオ official HP
http://www.miomatsumoto.com

LUZ

東京都世田谷区太子堂3-15-5 バナナビル 1F

営業時間
【火〜日】18:00~27:00

定休日 月曜日

http://luz-tokyo.com/

-インタビュー

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